建設業許可ブログ

主任技術者・監理技術者の資格と専任について解説


主任技術者・監理技術者の資格一覧

建設業許可業者は、許可を取得した業種のすべての工事現場に主任技術者又は監理技術者等を配置しなければなりません。
無許可業者又は許可業者であっても許可を取得していない業種の工事現場については、主任技術者・監理技術者等の配置は不要です。)

主任技術者・監理技術者とは、工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる者のことをいいます。
主任技術者・監理技術者になるためには、①必要な資格、実務経験を有していること、②建設業者との間に、直接的かつ恒常的な雇用関係があることが必要です。

下表は主任技術者・監理技術者等に求められる資格一覧です。(必要に応じて拡大してご覧ください。)
主任技術者・監理技術者に求められる資格一覧出典:国土交通省関東地方整備局「建設工事の適正な施工を確保するための建設業法(令和7.2版)」https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000699485.pdf)P20を加工して作成

主任技術者とは

請け負った建設工事を施工するときは、請負代金の大小、元請・下請けにかかわらず、工事現場での施工の技術上の管理をつかさどる者として、必ず主任技術者を配置しなければなりません。
主任技術者の資格要件は、1・2級の国家資格者、実務経験者等で、一般建設業の専任技術者の要件と同じです。

  • 建設業許可業者であれば、500万円未満の軽微な工事であっても、主任技術者の配置が必要になります。

 

  • 工事現場に主任技術者を配置することを必要としない場合について
    ⇒特定専門工事(下請代金の合計額が4,000万円未満の鉄筋工事及び型枠工事)について、元請負人の一定の要件を満たす主任技術者が下請負人の主任技術者の職務を併せて行う場合、下請負人は主任技術者を置く必要はありません。その場合、元請負人、下請負人の書面による合意が必要です。また、あらかじめ注文者からの書面による同意を得ておかなければなりません。このときは、下請負人は工事をさらに下請負に出すことはできません。

 

監理技術者とは

発注者から直接工事を請け負った場合(元請)で、一次下請けへの発注総額が4,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円以上)となるときは、主任技術者に代えて監理技術者を置かなければなりません。
なお、この場合は特定建設業許可が必要となります。
監理技術者の資格要件は、1級の国家資格者等で、特定建設業の専任技術者の要件と同じです。

 

主任技術者・監理技術者の専任が求められる工事

公共性のある施設・工作物又は多数の者が利用する施設・工作物に関する重要な建設工事で、事一件の請負金額が4,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上のものについては、工事現場に配置する主任技術者・監理技術者はその現場に専任でなければなりません。
営業所の専任技術者(常勤)との兼任や、他の工事現場との兼務は原則不可です。)

  • 工事現場ごとに置く専任の技術者の配置は、下請工事であっても必要です。(元請負人・下請負人の区別はありません。)
  • 対象は、公共工事に限りません。民間工事も含まれます。(個人住宅を除く多くの工事が対象になります。)
  • 主任技術者・監理技術者に求められる「専任」とは、他の工事現場との兼務を禁止し、常時継続的に当該工事現場にのみ従事することを意味するもので、必ずしも工事現場への「常駐」を必要とするものではありません。
  • 専任が求められる工事の監理技術者(後述の「特例監理技術者」を含む。)は、監理技術者資格者証の交付を受け、かつ、監理技術者講習を修了していることが必要です。

 

  • 主任技術者の専任が求められる工事現場であっても兼務が認められる場合
    ⇒密接な関連のある2以上の工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所(工事現場相互の間隔が10㎞程度以内)で施工する場合は、同一の専任の主任技術者がこれらの工事を兼務することができます。この場合、主任技術者が管理できるのは原則2件程度とされています。
  • 監理技術者の専任が求められる工事現場であっても2つの工事を兼務できる場合
    ⇒監理技術者の補佐を工事現場に専任で配置した場合には、監理技術者は2つの現場まで兼務することが可能です。
    この場合の監理技術者を「特例監理技術者」といいます。補佐者の要件は次のいずれかです。
    ①主任技術者の要件を有する者のうち、1級技士補(令和3年度以降の施工管理技士の第一次検定に合格した者)の資格を持つ者
    ②監理技術者の要件を有する者

 

専任技術者が主任技術者・監理技術者となれる例外的なケース

「営業所の専任技術者」は、請負契約の締結にあたり技術的なサポートを行うことが職務ですので、所属営業所に常勤していることが原則となります。
ただし、例外的に以下の全ての要件を満たす場合には、主任技術者又は監理技術者との兼務ができるとされています。

①主任技術者・監理技術者の専任が求められる工事(前述)でないこと

②専任技術者が所属する営業所で契約締結した建設工事であること

③専任技術者が所属する営業所での職務が適正に遂行できる程度に近接した工事現場であること

④専任技術者が所属する営業所と常時連絡が取れる状態であること

 


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この記事を書いた人

山内 恵子

行政書士

山内 恵子

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